
フルーレティ
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黒曜人物誌
CHR-004
名称:フルーレティ
称号:金の異端者
分類:魔王直属六柱/氷と悪天を司る騎士
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―― 金の異端者 ――
地獄に生きた黄金は存在しない。
堕天使でさえ、その輝きを失う。
それでも、一柱だけ例外がいた。
黄金の髪。
碧き瞳。
魔王直属六柱第四位。
その悪魔の名は、フルーレティ。
地獄の住人たちは彼を、畏怖を込めてこう呼ぶ。
「金の異端者」
隠されたグリモワール
日本ではほとんど知られていない古いグリモワールには、フルーレティの姿が描かれている。
そこに記されたのは、巨大な獣でも、醜悪な悪魔でもない。
金色の髪を風になびかせる、美しい青年だった。
悪魔でありながら黄金を宿すその姿は、多くの魔術師たちを困惑させた。
「花」を意味する言葉から名付けられた悪魔ではないか。
あるいは、美しい女性的存在なのではないか。
近代では、その中性的な印象から様々な解釈も生まれた。
しかし、それらはすべて推測に過ぎない。
誰一人として、彼の真実には辿り着けなかった。
名の秘密
フルーレティという名にも、多くの説が残されている。
花。
細剣。
優雅さ。
静かな殺意。
時代が変わるたびに、その名の意味もまた変わっていった。
だが、そのどれも真実ではない。
彼の名は古い言葉で、
「泣いたレティシア」
を意味する。
その理由を知る者は、今やほとんど存在しない。
そして彼自身も、その名について語ることはない。
黄金の赤子
フルーレティは、名もなき下級魔族の家に生まれた。
父も母も、ごく普通の下級魔族だった。
だが、生まれてきた赤子だけは違っていた。
黄金の髪。
碧き瞳。
まるで神話に語られる天使の幼子のような姿。
地獄に光の色は存在しない。
堕天使ですら、その輝きを失う。
その赤子は、生まれた瞬間から地獄そのものに拒絶された異端だった。
光の実験体
やがて彼は、同じ黄金を宿した妹とともにハシュマルに捕らえられ、ベルゼブブのもとへ送られる。
妹は地下へ。
兄は研究室へ。
天使は光を力へ変える。
ならば、その純粋な光はどれほどの力を秘めているのか。
その答えを求めるため、二柱の魔王は彼を実験体とした。
フルーレティは光を搾り取るために、
肉体も魂も凌辱された。
夜が明けるまで続く実験。
終わることのない苦痛。
希望を砕くためだけに繰り返される責苦。
その身体には、今なお無数の傷が刻まれている。
そして、その魂にもまた、決して癒えることのない傷痕が残された。
彼が「夜の労働」を司る悪魔と呼ばれるのは、その時代の名残である。
それは称号ではない。
生きるために課せられた、終わることのない労働そのものだった。
金の騎士
現在のフルーレティは、ルシフェル直属六柱第四位。
どれほど困難な命令も、感情を見せることなく遂行する。
彼は命令に忠実であり、
失敗を知らない。
冷酷。
寡黙。
無慈悲。
それが、他者から見たフルーレティという悪魔である。
だが、一つだけ不可解な記録が残されている。
彼は闇の至宝ルエルに対してのみ、他の誰にも見せないほどの忠誠を示すという。
その理由を尋ねる者はいない。
彼もまた、決して語ろうとはしない。
黒の観察者・観測記録
【観測記録 CHR-004】
人は黄金を祝福と呼ぶ。
地獄では違う。
黄金とは、
世界から最も拒絶された者に与えられる色である。
だから彼は、
金の異端者と呼ばれた。
司書より
この人物だけは、すべてを語るべきではないと感じています。
彼の名前がなぜ「泣いたレティシア」を意味するのか。
なぜ彼は黄金を失わなかったのか。
なぜルエルだけに絶対の忠誠を誓うのか。
それらの答えは、まだ図書館の奥深くに眠る別の記録に委ねられています。

