CHR-011-サタン

闇に棲む者たち

サタン。言わずと知れた悪魔たちの皇帝であり、地獄の最高指導者。 しかしこの名は、彼自身が望んだものではない。 堕天したルシフェルを保護した際、創世神が浴びせた罵倒の言葉こそが「サタン」であった。

本来この名が持つ意味は、 「敵対者」「妨げる者」「誹謗する者」「訴えられる者」「道をふさぐ者」。 創世神の視点から見た“サタン像”がそのまま名前になっている。

ヘブライ語の Satan は「敵対者」のほかに 「告発者」「検察官」 を意味する。 旧約では神の御前で人間の罪を告発する役割を担った。 黒曜世界における「(堕天使たちに創世神の愚痴を)訴えられる者」という解釈は、 この“法廷における告発者”という神秘学的役割を見事に体現している。

◆真名と不可侵の盟約

サタンの真名は隠されており、 ルシフェルしかその名を呼ぶことができない。

真名とは「呼ぶことを許された者」あるいは 「その存在より強い魔力を持つ者」しか口にできないもの。

神秘学では、事物の真名を知ることは その存在を完全に支配すること を意味する。

宇宙の破壊神であるサタンの真名を ルシフェルだけが呼べる という事実は、 二人の間に“義兄弟以上の、魂の次元での絶対的信頼”があることを示す。

◆サタンの正体:創世の三柱の一人

一般には「元天使」とされるが、実際は違う。 サタンは 創世神・創世の女神・破壊神 の三柱の一人である。

三柱は必ず兄妹となる。 つまり──

  • サタンは創世神の兄
  • 創世の女神の兄
  • ルシフェルは創世の女神が愛した者
  • よって サタンにとってルシフェルは義弟
  • Auel皇子とルエル姫はサタンの甥・姪

この血統構造が、黒曜世界の神話を支えている。

サタンが闇に堕ちたルシフェルを保護したのは、 妹である創世の女神を深く愛していたからだ。

しかしその行為は創世神の逆鱗に触れ、 「裏切り」「世界を狙う者」と断罪され、 サタンは“悪”として扱われることになった。

サタンはそれを笑い飛ばし、 あえて「サタン」という名を使い続けている。 (どう見ても創世神への嫌がらせである)

◆現在のサタン:楽隠居の皇帝

今はルシフェルに地獄の全権を譲り、 悠々自適の隠居生活を送っている。

妻リリスとの間にリリンという娘がいるが、 皇子たちと会ったことはない。 地獄には「結婚」「同居」という概念が存在しないため、 サタンは岩山をくりぬいたワンルームに一人で暮らしている。

◆粋な洒落者としてのサタン

サタンは女遊びがとどまるところを知らない“イケオジ”である。 しかしどれほど親しくなった女性でも、 彼は決して自らの住処に招かない。

サタンの家の場所を知るのは ルシフェルただ一人。 彼が自らの不可侵領域に招き入れるのは ルシフェル一家のみ である。

幼いルエル姫を連れて訪れたこともあるという。

◆恐れられる力:時を操る者

引退してもなお、彼の力は衰えていない。 ラファエルは彼をこう評する。

「時さえも思うがままに操るのではないか」

オカルトや占星術では、サタンはしばしば 土星(サターン)=時の神クロノス と結びつけられる。

クロノスは「時間を喰らう・操る存在」。 癒しと生命(現在)を司るラファエルが サタンを恐れるのは、神秘学的照応から見ても理にかなっている。

黒の観察者

【観測記録 CHR-012】

人は彼を、

世界最初の悪魔と呼ぶ。

しかし、

彼は笑ってこう返す。

「その名を付けたのは、あいつだからな。」

罵倒を名乗り続けること。

それこそが、

創世神へ向けた、

世界でもっとも長い嫌がらせなのである。

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