
サタン。言わずと知れた悪魔たちの皇帝であり、地獄の最高指導者。 しかしこの名は、彼自身が望んだものではない。 堕天したルシフェルを保護した際、創世神が浴びせた罵倒の言葉こそが「サタン」であった。
本来この名が持つ意味は、 「敵対者」「妨げる者」「誹謗する者」「訴えられる者」「道をふさぐ者」。 創世神の視点から見た“サタン像”がそのまま名前になっている。
ヘブライ語の Satan は「敵対者」のほかに 「告発者」「検察官」 を意味する。 旧約では神の御前で人間の罪を告発する役割を担った。 黒曜世界における「(堕天使たちに創世神の愚痴を)訴えられる者」という解釈は、 この“法廷における告発者”という神秘学的役割を見事に体現している。
◆真名と不可侵の盟約
サタンの真名は隠されており、 ルシフェルしかその名を呼ぶことができない。
真名とは「呼ぶことを許された者」あるいは 「その存在より強い魔力を持つ者」しか口にできないもの。
神秘学では、事物の真名を知ることは その存在を完全に支配すること を意味する。
宇宙の破壊神であるサタンの真名を ルシフェルだけが呼べる という事実は、 二人の間に“義兄弟以上の、魂の次元での絶対的信頼”があることを示す。
◆サタンの正体:創世の三柱の一人
一般には「元天使」とされるが、実際は違う。 サタンは 創世神・創世の女神・破壊神 の三柱の一人である。
三柱は必ず兄妹となる。 つまり──
- サタンは創世神の兄
- 創世の女神の兄
- ルシフェルは創世の女神が愛した者
- よって サタンにとってルシフェルは義弟
- Auel皇子とルエル姫はサタンの甥・姪
この血統構造が、黒曜世界の神話を支えている。
サタンが闇に堕ちたルシフェルを保護したのは、 妹である創世の女神を深く愛していたからだ。
しかしその行為は創世神の逆鱗に触れ、 「裏切り」「世界を狙う者」と断罪され、 サタンは“悪”として扱われることになった。
サタンはそれを笑い飛ばし、 あえて「サタン」という名を使い続けている。 (どう見ても創世神への嫌がらせである)
◆現在のサタン:楽隠居の皇帝
今はルシフェルに地獄の全権を譲り、 悠々自適の隠居生活を送っている。
妻リリスとの間にリリンという娘がいるが、 皇子たちと会ったことはない。 地獄には「結婚」「同居」という概念が存在しないため、 サタンは岩山をくりぬいたワンルームに一人で暮らしている。
◆粋な洒落者としてのサタン
サタンは女遊びがとどまるところを知らない“イケオジ”である。 しかしどれほど親しくなった女性でも、 彼は決して自らの住処に招かない。
サタンの家の場所を知るのは ルシフェルただ一人。 彼が自らの不可侵領域に招き入れるのは ルシフェル一家のみ である。
幼いルエル姫を連れて訪れたこともあるという。
◆恐れられる力:時を操る者
引退してもなお、彼の力は衰えていない。 ラファエルは彼をこう評する。
「時さえも思うがままに操るのではないか」
オカルトや占星術では、サタンはしばしば 土星(サターン)=時の神クロノス と結びつけられる。
クロノスは「時間を喰らう・操る存在」。 癒しと生命(現在)を司るラファエルが サタンを恐れるのは、神秘学的照応から見ても理にかなっている。
黒の観察者
【観測記録 CHR-012】
人は彼を、
世界最初の悪魔と呼ぶ。
しかし、
彼は笑ってこう返す。
「その名を付けたのは、あいつだからな。」
罵倒を名乗り続けること。
それこそが、
創世神へ向けた、
世界でもっとも長い嫌がらせなのである。

