CHR-010-ルキフゲ・ロフォカレ

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ルキフゲ・ロフォカレ

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黒曜人物誌
CHR-010

名称:ルキフゲ・ロフォカレ
称号:光を護る深淵の宰相
分類:上級精霊
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光を避ける者

ルキフゲ・ロフォカレ──『大奥義書』やその異本『赤い竜』にその名を刻む高位悪魔である。

ラテン語風にはルキフグス(Lucifugus)とも呼ばれ、地獄を統べる皇帝ルシフェルに仕える上級精霊六柱の第一位、すなわち首相・宰相の座に就く人物である。国家の財政と皇帝の財宝を一手に預かり、ルシフェルが最も信頼を寄せる側近として、その傍らに立ち続けている。

しかし、古来より彼には一つの大きな謎があった。

その名は**「光を避ける者(Lucifugus)」**。

それにもかかわらず、なぜ「光を掲げる者(Lucifer)」の第一位に座しているのか。

この矛盾を理解できなかった魔術師たちは、『大奥義書』や数多のグリモワールの中で様々な憶測を語り、彼を恐怖や裏切りの象徴として描いてきた。しかし、そのどれもが真実には届いていない。

真実は、彼の名の由来そのものに隠されている。


ロフォカレは神秘学研究所バベルに所属していた天使ではない。

彼は、創世の女神直属近衛騎士団の隊長であった。

その剣は神のためでも天界のためでもなく、ただ一人、創世の女神を護るためだけに捧げられていた。

やがてルシフェルが堕天すると、創世の女神もまた愛する者を追い、自ら天界を捨てようと決意する。

ロフォカレには、その願いを拒むこともできた。

女神を引き止め、命令に従って天界へ留めていれば、彼は近衛隊長としての名誉も、純白の翼も、永遠の安寧も失わずに済んだだろう。

それでも彼は迷わなかった。

女神の願いを叶えることこそが、自らに課せられた騎士としての使命だと信じていたからである。

彼は追撃する天使たちの前へ立ちはだかり、かつて肩を並べて戦った仲間たちと剣を交えた。

自らの手を血で染めながらも、その命を懸けて創世の女神を闇の世界へ送り届け、愛するルシフェルのもとへと辿り着かせたのである。


この生き様こそ、**究極の宮廷愛(アムール・クルトワ)**であった。

それは恋人になりたいという欲望ではない。

報われたいという願いでもない。

ただ、敬愛する主が心から望む未来を実現するために、自らのすべてを差し出す騎士の献身である。

己の地位も、栄誉も、聖なる翼も、永遠の居場所さえも惜しまなかった。

もし彼が女神を引き止めていれば、天界最高位の騎士として永遠の栄光を手にしていたに違いない。

しかし彼は、それよりも女神の幸福を選んだ。


「光を避ける者」。

その名は、光を恐れた者という意味ではない。

彼は、大切な光である創世の女神を天界の追撃から守り抜き、安全な闇の世界へ**『逃した』**。

だからこそ、自らは二度と光へ帰ることなく、闇へ堕ちる道を選んだのである。

彼が避けたのは光そのものではない。

女神を再び奪おうとする天界の光だった。

「逃した者」であるからこそ、「光を避ける者」となった。

それは恐怖や逃避ではなく、守るべき者を護り抜いた騎士だけに許された、もっとも悲壮で、もっとも誇り高き名である。


だからこそルシフェルは、彼を六柱第一位として迎えた。

財宝を預けたからではない。

国家を任せたからでもない。

ロフォカレという男は、一度誓った忠義を決して裏切らない。

愛する者の幸福のためなら、自らの存在すら捨てることのできる騎士であることを、ルシフェル自身が誰よりも知っていたからである。

そのため地獄国家において、六柱第一位とは単なる地位ではない。

皇帝が、この世界でもっとも信頼する者だけに与えられる称号なのである。

関係者

ルシフェル(皇帝・六柱を束ねる主君) アスタロト(三大支配者の一柱・中立勢力) サタナキア(六柱第二位・軍事の最高責任者) 創世の女神(現在、書庫の中)

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