
サタナキア
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黒曜人物誌
CHR-009
名称:サタナエル
称号:深淵を統率する守護者
分類:上級精霊/六柱第二位・総司令官
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深淵を統率する者
Satanachia
ルシフェル側近六柱第二位。
深淵の守護者。そして、ルシフェル軍実戦部隊を統率する総司令官である。
彼の命令一つで軍は動き、彼の剣が振るわれれば戦場は崩れる。
それほどの人物でありながら、彼自身は己を語ろうとしない。
だから彼を知る者は皆、彼自身ではなく――彼を見つめた者たちの言葉によって、その人物像を語るのである。
第一章 深淵を統率する者
サタナキアは、ルシフェル側近六柱第二位に座する将軍であり、実戦部隊最高指揮官である。
副官には六柱第四位フルーレティを従え、将軍アガリアレプトと共に地獄軍を率いる。
さらに旅団長サルガタナス、元帥ネビロスらを束ね、極めて高度に組織化された軍事指揮命令系統を構築している。
戦場において彼の命令は絶対であり、一切の揺らぎを許さない。
その姿から彼は、
「深淵を統率する者」
あるいは
「深淵の守護者」
と呼ばれている。
第二章 鬼神
サタナキアは根っからの武人である。
その武器は剣。
戦場では総司令官でありながら最後方に留まることはなく、自ら馬を駆り、敵陣へ真っ先に斬り込んでいく。
あまりにも深く敵陣へ入り込み、部下たちが慌てて救援へ向かうこともしばしばあったという。
部下たちは口を揃える。
「後ろで指揮だけ執っていてほしい。」
だが、彼は聞き入れない。
彼にとって戦いとは、安全な場所から命令を下すものではない。
兵士と共に命を懸けるものだからである。
その戦いぶりは鬼神と恐れられた。
第三章 沈黙の将軍
彼は寡黙である。
ほとんど感情を表に出さない。
怒ることもある。
だが、その時ですら二言三言静かに言葉を発するだけだった。
長年直属の部下を務めるフルーレティでさえ、
「笑ったところを見たことがありません。」
と語っている。
無表情で知られるフルーレティよりも、なお感情が読めない。
それがサタナキアという男である。
第四章 師
彼が人間として生きていた前々世。
青い薔薇の園。
まだ己の宿命を知らず、無邪気な少年だった皇子に、武術と戦術を教えた人物こそサタナキアであった。
当時、将軍だった彼に皇子は仕え、その日々を皇子自身は、
「もっとも幸せだった時代」
と語っている。
現在でも皇子は彼と語らう時間を好む。
二人の会話は決して多くはない。
それでも皇子は満足そうに席を立つ。
その理由を知る者は少ない。
彼は皇子にとって、父でも王でもなく、
人生最初の師だからである。
第五章 味のしない食事
直属の部下であるフルーレティは、サタナキアと食事を共にすると必ずこう漏らす。
「……味がしません。」
普段ほとんど感情を口にしない氷の騎士が、そうぼやくのである。
その威圧感と静かなカリスマは、それほどまでに圧倒的なのだ。
一方で皇子だけは違う。
彼は静かに会話を楽しみ、
食事の後には決まってこう言う。
「今日は機嫌が良かったですね。」
それを聞いたフルーレティは首を傾げる。
「……どこがです。」
同じ人物を見ているはずなのに、
二人にはまるで違うサタナキアが映っているのである。
第六章 忠誠
サタナキアは現在もルシフェルへ忠誠を誓っている。
しかし、その理由は誰にも分からない。
本人が何も語らないからである。
ベルゼブブとは敵対関係にあり、かつてベルゼブブ直属だったフルーレティとも剣を交えた。
しかし彼は、その実力だけは認めていた。
後にフルーレティがルシフェル軍へ移籍した際、彼を六柱第四位として迎え入れたのもサタナキアである。
部下との距離を縮めようとはしない。
感情を語ろうともしない。
それでも彼の背中を追う者は絶えない。
それが、総司令官サタナキアという存在である。
黒の観察者
【観測記録 CHR-009】
深淵を統率する者は、
己を語らない。
語るのは、
その背中を追い続けた者たちだけ。
だから今日も、
彼がなぜルシフェルに従うのか、
その理由を知る者はいない。
ただ一つ確かなことがある。
彼の命令に、迷いはない。

