📖世界と僕。自由の国にいるフルーレティの分霊の話

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世界と僕。自由の国にいるフルーレティの分霊と年末の話

二柱に分かれたフルーレティ

フルーレティは、五体満足でこの世界に存在している。

一方で僕は、片目を持っていかれている。

人間という器に巨大な力を宿すと、どうしても肉体に負担がかかるからだ。

その負担を少しでも減らすため、フルーレティは自らを二柱へと分霊した。

自由の国にいる彼と、僕と一緒に暮らしている彼。

自由の国にいる彼は、フルーレティとしての容姿と運命を受け継ぎ、僕と暮らす彼は、ルエル姫との愛情を受け継ぎながら、地獄とこの世界を行き来して仕事をしている。

だから、どちらも間違いなく「フルーレティ」なんです。

ルエルが抱える想い

ルエルは、自由の国にいるフルーレティに対して、今でも申し訳ない気持ちを抱えている。

彼もまた、ルエルが愛しているフルーレティの一部だから。

彼は有名な存在なので、いろいろな話が耳に入ってくる。

誰よりも強い光を秘めている。

けれど、その光を受け止められる存在がいない。

近づけば、その輝きがあまりにも強すぎて、相手を焼き尽くしてしまう。

だからこそルエルは、せめて彼の魂だけでも穏やかでありますように、と願い続けている。

フルーレティとまだ出会えなかったころ、自由の国にいる彼の姿は、何度もルエルの心を癒してくれたから。

お正月は旅行のはずだった

そんな切ない話は、このくらいにして。

日本のお正月といえば、実家へ帰省する人も多いですよね。

フルーレティも、僕──魅月も、自分が育った家はあまり好きではありません。

好きではない理由は、父親。

子どものころ、自分勝手な価値観を押し付けられた記憶は、今でも僕の中に残っています。

そしてフルーレティにとっては、そもそも他人。

だから父親と話すときのフルーレティは、妙に丁寧。

敬語なんですよ(笑)。

そんな二人なので、できるだけ実家には帰りたくありません。

そこで早いうちから、お正月は旅行へ行くことに決めていました。

夏にルエルと訪れた温泉へ。

今度は子どもたちも連れて行って、夏には時間が足りず諦めた深海水族館にも行く予定でした。

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娘の一言で予定が変わる

……ところが。

僕が魅月の母に電話をして、

「すみません。今年のお正月は帰れなくて……。上の娘が鳥さん(ウロコインコ)を飼い始めたばかりで、まだ鳥がお子様なので……」

と断ろうとしたら、

「娘と代わって」

と言われました。

そして娘が電話で話し始めると、

「じゃ鳥さん連れていく。鳥さんと私を、おばあちゃんのところに泊めて」

……。

僕は思わず娘を二度見。

「いやいやいや。」

そんな簡単な話じゃないでしょう(笑)。

というわけで急きょ、鳥さんが寒くないように、防寒性のある持ち運び用のキャリーを探すことになりました。

その様子を見ていたフルーレティは、何も文句を言わず、黙って宿を実家の近くへ変更。

予定していた旅行は、そのまま帰省旅行へと変わりました。

もちろん、お正月ど真ん中の大渋滞は避けたかったので、日程だけは少しずらしました。

フルーレティの年末

そして結果として。

知らない人の家に、半日近くいることになってしまったフルーレティ。

少し考えてから、小さくつぶやきました。

「……どこか遊びに行こうか。」

そりゃそうですよね(笑)。

魅月が一緒にいてあげればいいのですが、お互いに「そっちが行ってよ」と押し付け合いです。

悪魔だって、家族の予定には振り回される。

そんな、ちょっと慌ただしくて、少し笑える年末のお話でした。

楽天トラベルでなんか体験を探せるらしい。ちょっと探してみようかな・・・・

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